■手間のかからないプリザーブドフラワーは年配の方向き

敬老の日や金婚式、長寿祝いなどの年配の方に花を贈る時は、派手さや華やかさよりも落ち着きのある和風のアレンジや色合いが喜ばれます。本人の好みもありますが、その方が生活空間になじみやすいからです。和室はもちろん、花の定位置である「床の間」にも飾りやすいでしょう。

年配の方に花を贈るなら、手間のかからないプリザーブドフラワーがおすすめです。手入れは時々ホコリを払うくらいで済みますし、重たい花瓶の水の入れ替えも必要ありません。それでいて生花よりもずっと長持ちするので、インテリアと同じ感覚で飾れます。

どんなに花の手入れが好きでも、毎日のこととなると年配の方には少し億劫に思ってしまう場合もあります。プリザーブドフラワーは、そのような手間を省きつつ、暮らしを明るく彩ってくれるでしょう。

■アレンジメントの基本は「侘び寂び」

和風のアレンジにするなら、花器は陶器や編み籠がよく合います。色は白や黒を基調にすると花の色を際立たせられます。リビングに飾るのであれば、お気に入りの写真を入れられるフォトフレームや、シックな時計も向いています。「侘び寂び」という言葉があるように、年配の方はあまり飾り過ぎを好みません。若い女性が喜びそうな人形やぬいぐるみ、スワロフスキーやラメがけのようにキラキラするものは避けた方が無難です。

花はバラやカーネーション、トルコキキョウなど、花びらが多くて大きいタイプをメインにすると、シンプルなアレンジでも、しっかりと存在感を出せます。菊は仏花のイメージが強いですが、オーダーメイドで選べるならアクセントとしてスプレーマム（ピンポン菊）を加えても良いでしょう。アジサイやデンファレもアクセントに使えます。

■年配の方に好まれる色の傾向

プリザーブドフラワーは自由に色をつけられます。現実には無い鮮やかな青いバラも簡単に作れます。既に完成されたアレンジでも、バラの色を変更して、年配の方が好む和風の色合いにまとめることも可能です。

高齢になると色の見え方が変わり、全体的に黄色がかったようになると言われています。また、濃い色ほど暗く見える傾向があるようです。そのため、一般に人気のある色が必ずしも受け入れられるとは限りません。

男女問わず好まれやすいのは緑や青です。パステル調にしたり、濃淡のグラデーションにしたりすると、美しく見えるでしょう。白い花と組み合わせれば、メリハリがでます。赤も無難ですが、ピンクになると好き嫌いが分かれやすいので注意が必要です。生花と違って長く飾るものなので、贈る前に好みの色をチェックしておきましょう。